窓のすきまテープは、種類より先に厚みを決めます。 売り場では素材の違いが目立ちますが、実際に効くかどうかを分けているのは、 隙間の幅にテープの厚みが合っているかどうかです。
厚すぎれば窓が閉まらなくなり、無理に閉めるとクレセント(窓の鍵)に負担がかかります。 薄すぎれば貼っても空気は通ります。
まず隙間を測る
貼りたい場所の隙間を測ります。定規が入らない場所が多いので、次のやり方が簡単です。
- 窓を閉めた状態で、名刺やハガキを隙間に差し込む
- 入るなら、二つ折り、三つ折りと厚みを増やしていく
- 抵抗を感じて止まったところの厚みが、おおよその隙間の幅
ビジネスでよく使われる名刺(四六判180kg程度)の紙厚がおよそ0.2mmなので、 5枚重ねて入れば1mm前後、という見当がつきます。 ただし紙厚は用紙によって変わるので、あくまで目安です。
厳密である必要はありません。1〜2mm、3〜5mm、それ以上のどれに当たるかが分かれば足ります。
隙間が場所によって違うことも珍しくありません。 上はほとんど閉じているのに下だけ広い、という窓はよくあります。 その場合は広いところに合わせるのではなく、場所ごとに違う厚みを使うほうがうまくいきます。
貼る場所と、貼ってはいけない場所
引き違い窓で空気が通るのは、主に三か所です。
- 中央の召し合わせ — 二枚の窓が重なる縦の部分。ここが一番大きい
- 下枠と窓の間 — 窓の下端。ほこりがたまりやすい
- 戸袋側の縦枠 — 窓を開ける側の端
このうち、下枠のレール部分には貼らないでください。 サッシの下枠には、入り込んだ雨水を外へ逃がす水抜き穴があります。 ここをテープでふさぐと、水がたまって室内側へ回り込むことがあります。 戸車が走る溝も同様で、テープを貼ると窓が浮いて、かえって隙間が増えます。
貼るのは、窓を閉めたときに触れ合う面です。 レールや溝ではなく、縦枠と窓の側面、あるいは召し合わせの重なり面。 迷ったら、閉めた状態で外から光が漏れる線をなぞると場所が分かります。
素材の選び分け
三つのタイプがありますが、選ぶ基準は「動くか」と「濡れるか」の二つです。
毎日こすれる可動部には起毛タイプ。 ブラシ状の毛が隙間を埋めるので、開け閉めの抵抗が小さく、 繰り返しこすれてもつぶれにくい。引き違い窓の召し合わせはこれが向きます。
動かない当たり面にはスポンジタイプ。 押しつぶされて隙間に密着するので、止まっている面には効きます。 ただし可動部に使うと、こすれてすぐにちぎれます。
濡れる場所には水を吸わないもの。 ウレタンフォームは安価ですが水を含みます。 結露が出る窓辺に貼ると、含んだ水が乾かず、テープの裏でカビが出ることがあります。 濡れる可能性がある場所には、独立気泡のゴムスポンジを選びます。
貼る前の下ごしらえ
粘着が持つかどうかは、貼る面の状態でほぼ決まります。
サッシのアルミ面には、外気で運ばれた細かい砂ぼこりと油分が付いています。 中性洗剤を薄めた水で拭き、そのあと水拭き、最後に完全に乾かす。 アルコールで拭くと早く乾きますが、樹脂部分やゴムのパッキンに使うと 劣化させることがあるので、樹脂サッシでは水拭きにとどめます。
気温が低いと粘着剤が硬くなり、初期の接着が弱くなります。 5℃を下回るような日は、暖房で室温を上げてから作業したほうが持ちます。
賃貸で貼るときの注意
すきまテープの粘着剤は、はがすときに塗装や樹脂の表面を持っていくことがあります。 特に、貼ったまま何年も経ったものや、直射日光が当たる面は硬化して残りやすい。
賃貸で使う場合は、次のようにしておくと安全側です。
- 貼る前に、目立たない場所で一度貼ってはがしてみる
- 長期間貼りっぱなしにせず、シーズンごとに貼り替える
- はがし跡が残ったら、専用のはがし剤ではなく、まず中性洗剤とぬるま湯で試す
効かない場合と、買わなくてよい場合
すきまテープで解決しない冷えもあります。
窓を閉めたときに隙間がほとんどないのに寒い場合、 空気が通っているのではなく、ガラスそのものが冷えている可能性が高い。 一枚ガラスの窓は、隙間をふさいでも表面温度は上がりません。 この場合はすきまテープではなく、ガラス面に一枚はさむ対策のほうが向きます。 窓用の断熱シートか、より効きの大きい内窓を 検討することになります。 ただし断熱シートには熱割れの注意があります。 サッシメーカーは、ガラス面に紙やフィルムを貼らないよう案内しているため、 製品が対応しているガラスの種類を確かめてから貼ってください。
また、隙間があっても指が入るほど大きい場合は、 テープを重ねるのではなく建具の調整や部材の交換が必要です。 テープで無理に埋めると、窓が閉まらなくなるか、締めたときに枠に負担がかかります。
次のような場合は、そもそも買う必要がありません。
- 窓を閉めるとカーテンが揺れない、線状の光漏れもない
- 内窓(二重サッシ)がすでに入っている
- 賃貸で、退去が近い
三つの区分
どこまで自分でやるか
- 隙間の測定と、すきまテープの貼り付け
- サッシ表面の清掃
- はがしたあとの粘着跡の除去
- クレセントの位置調整(ねじの緩みが原因の場合に限る)
- 経年で硬化したゴムパッキンの交換(同型の部材が手に入る場合)
- 戸車の高さ調整(建て付けが悪化することがある)
- 窓枠が傾いている、建具が全体的に枠と合っていない
- サッシ下枠から室内側へ水が回り込んでいる
- 窓まわりの壁や床が湿っている、柔らかくなっている
窓まわりの水と湿りは、見えている場所より奥で進んでいることがあります。 壁が湿っている、触ると柔らかい、黒く変色しているといった状態は、 すきまテープで対処する話ではありません。早めに専門業者へ相談してください。
